バーで「美味しい」と感じてもらうにはどうしたらいいのか?考察してみた。

バーに勤めてある程度仕事をこなせるようになり、余裕が出てきた時でした。

今の状態からもっとスキルアップするにはどうすればいいのか?

お客様に居心地の良い空間を提供するにはどうしたらいいのか?

様々な考えを突き詰めていった時、そもそも『美味しい』ってどうやって判断しているんだ?

この疑問が浮かびました。

バーテンダーに求められるスキル【自己分析】

技術面:まだまだだがお客様に提供できるレベルの技術力は自負している。
レベルアップするには他店へ行きまくり色んな味を知る事。
また自分で理論突き詰めていく。

接客面:当たり障りのない対応でお客様の求める距離感やお店の雰囲気に合わせた接客を心得ている。
周りから見たらまだまだかもしれないが、誰よりも接客面は考え大切にしている。

知識面:スタートラインに立てる程度、いやまだ立ってもいないかもしれない。
お店にあるものは把握、それ以外のものを知る必要がある。
色んな視点から見たり、色んな経験をすることで閃いた事をバーと絡めてオリジナリティを目指す。

現状はこんな感じ。
では最優先に伸ばしていくにはどこから手を出せばいいのか?

過去を振り返りながら整理してみた。

・技術面

オーダー頂いたカクテルやお酒はスグに提供できるようになった。
どこに時間を掛け、どこに時間を掛けないか。
動き、時間の管理、優先順位、把握した上で作業に取り掛かる。

このカクテルはこういった歴史がある。
だが現代人と味がマッチしていない、
そこでリスペクトしつつオマージュしオリジナリティに仕上げる。

氷の詰め方、温度、シェイクの強弱、ステアの回数、粘度、どの香りを出すか。

あげればキリがないが、基本カクテルをさらに追求し理論突き詰めていく事。
意識して誰よりも作る事。

だがここまでやるのは自己満足、独りよがりだ。

お客様からしたらそんなの知ったこっちゃない。
もちろん人によりますが。

聞かれたら答えるぐらいで良いと思う。

ここまで理論突き詰めても『美味しい』とお客様が感じなければ意味がない。

考え始めると誰もが気づく
「技術面ではなく、それ以外の面で人は美味しいと感じる」

気づく人はそれぞれ、働く前から気づいている人、働いてから気づいた人。
それが5年後なのか10年後なのか20年後なのか?

早く気づければ行動に移せる。

では技術面で美味しさにつながる部分はどこだろうか?

それは視覚で感じる『所作』

合理的な動きかつ、時間軸である指や腕の動き。

静と動のバランスを取りながら作業していく。

これが技術面で優先的に伸ばすポイント!

・接客面

緊張しながら自信なさそうに提供するお酒、自信満々に提供するお酒。
元気がなく悲しそうな顔で提供するお酒、笑顔で愛想よく提供するお酒。

どちらも後者の方が『美味しい』と感じる人が僕の経験上多い。

僕がお客さんとして色んな飲食店に行った時も、
自信がり笑顔で愛想がいいサービスのお店は居心地が良く『美味しい』と感じやすい。

逆に台無しにしてしまうのは、
お客様がいるのにイラつきを見せてしまったりスタッフとの対応の差や二面性を出してしまったりする行為。

これはとても良いとは言えない。

スタッフのミスかもしれないが、雇ったのも教育したのも自己責任。
誰でもできるようなマニュアルや仕組みづくりを怠った結果がそれ。

今の時代、声を荒げて怒り狂うのは合理的じゃない。
『伝え方』『言い回し』『関係性の構築』ここから手をつけていかないと、
お客様を迎え入れられる環境は作れない。

怒ることでスタッフに顔色伺わせ、
お客様優先なのに上司優先の構図ができてしまう。最悪だ。

本当にお客様に良いサービスを提供するには、
スタッフに余裕を持たせ楽しいと思わせることが重要。

楽しければ自発的に調べより良いサービスを模索する。
余裕があれば思いやりが生まれスタッフ同士のわだかまりも生まれにくくなる。

それが簡単にできないから今でもそういった環境は無くならないのか。
僕の考えが甘すぎるのか?

接客面で『美味しさ』につながる部分は何か?

『ニーズを聞き出す質問力』『イメージを膨らませる言い回し』『相手の求める距離感を見極める洞察力』

他にもあるが挙げればキリがないので3つにまとめてみました。

人はイメージで生きているというのが僕の持論。
そこでイメージにより近いもの、イメージ通り、いい意味で期待を裏切るもの。

これが『美味しさ』に直結している。

相手の求める距離感は、バー慣れしているのか?緊張気味なのか?

緊張していれば”味わう、嗜む”といった余裕はなく、空間慣れするまで味覚は機能しない。

そういった情報をしっかり読み取り、
緩和させ味わって頂くように機転をきかせる。

これができるようになるには自身の『余裕』が必要。

・知識面

接客面でも記述し重複してしまいますが、『イメージを膨らませる』これが面白い。

お客様の脳内で既にメイキングは始まっている。

今までの経験というデータとお客様との会話の中で得たヒント。
お客様のニーズとデータを混ぜ合わせ、お客様の脳内で完成させる。

ここでも『伝え方』『言い回し』がポイントとなってくる。

この時期にピッタリ!ドライでさっぱり、
炭酸が弾けて柑橘の香りが広がるジンリッキーなどいかがでしょうか?

といった感じでお伝えすると脳内でカクテルが完成している。

あとはイメージ通り作るだけ。

イメージを膨らませる為の材料、それが知識面だと僕は思う。

知識をつけすぎてひけらかさないよう自制心を身につけ、
お客様に合わせる引き出し方で美味しいを感じていただく。
時には知らないフリをする。

知識面で『美味しい』につながる部分は何か?
お客様に必要な情報・知識だけを与え、脳内でイメージを膨らませる。
そのイメージとニーズの誤差が無ければ『美味しい』と感じやすい。

・優先的に伸ばすスキルは?

精神的に健康であることが第一の『美味しい』
精神的な余裕がある状態であれば『嗜める』

精神的に健康であるには普段の生活が重要。

生活のほとんどは職場で過ごす。

職場の人間関係が構築できていないと『美味しい』から遠ざかってしまう。

『美味しい』という喜びは心で感じる。

よって技術、接客、知識の中で1番伸ばし甲斐あるのは接客面だと僕は思う。

特に技術面はある程度ゴールが見えてしまった。

って事で今は現場を離れ、
異業種に勤める形で人間関係の構築の仕方を意識し取り組んでいる。

色んな人に出会い色んな経験をし、色んな痛みを知ることで新しい発見があるんじゃないか?
そう考えています。

分かりきっている道から外れ、誰からも理解されない道ではない未開拓地へ飛び込んでいます。
仮説をいくつか立てた上で行動していますが正直どうなるか分かりません。

ただ僕はショーもないサービスや過剰なサービスではなく、
シンプルなサービスで『美味しい』と感じて頂ければ満足です。

『美味しい』この言葉でどれだけ救われてきたか。

・最後に

美味しいって本当に深いですね

最後までご覧いただきありがとうございました。

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ABOUTこの記事をかいた人

『バーを開きたい』という目標ができ、会話力、身だしなみ、語学を学ぶ為日々取り組んでいます。 4年半バーで働いた後、派遣社員としてアパレルで働き現在はマンチェスターへ語学留学中です。 自分が独立するまでの道のりや、学んだ知識、経験を発信していきます。 よろしくお願いします^^