1番古いお酒?
確かに古いお酒ではありますが、1番ではありません。
ナツメヤシ、ハチミツ、ブドウ、麦から造られるお酒が
古くから造られていました。
その中でも一番古いとされているのは『ミード(蜂蜜酒)』です。
なんと紀元前1万4千年前から飲まれています。(あんまピンとこないですよね、、笑)
一方ワインは、紀元前5千年に”醸造”されていることがわかります。
※醸造酒って何?発酵?何それ
これが一体何を意味するのか?
高度な工夫、文明、発想があった事を表し、人類の歴史と密接に関わっていく瞬間でもあります。
では本題に入る前に
大体の流れ
紀元前5000年頃メソポタミアで誕生
エジプトで技術の向上
ギリシャで大量生産が可能になり日常的に
ローマでワイン産業が発展
王族、貴族、民衆にも飲まれるようになり
現代まで発展してきた。
では解説していきます。
メソポタミア文明
人間の発想とメソポタミア
水、液体を運びたい、、
そうすれば水場の近くに住まなくても行動範囲が広がる!
遠くの地へ移住できる!
この発想により、人類は液体を貯蔵、保管できる『土器』を発明しました。
手間がかかるのに造った、工夫、文明、発想、知恵があってできた。
すごいですね。
そして水の確保が厳しい環境ではどうだったか?
水以外の水分補給を考え、干しブドウとして使用していたものを絞り液状にします。
最初は動物の胃袋に入れていましたが、土器の誕生により醸造が可能となりました。
ワインの誕生です。
ただ現代のワインとはかけ離れた原始的なワインです。
本格的なワイン造りエジプト
ワイン造りのプロセス
メソポタミアからワインの技術が伝わり、本格的に造られるようになる。
農耕がとても盛んでブドウ栽培にも向いていた。
壁画や壺、パピルス文書によって当時の様子が記されています。
2人の男が深い石槽にブドウを詰め込み足で圧搾、
種子まで潰れないので苦味が出にくいという利点があります。
残りを目の粗い布に敷き詰め棒を利用し、1滴残らず絞りとります。
壺に液体を流し込みブクブク発酵するまで数日放置で完成です。
『圧搾、貯蔵、熟成』の工程を得た、
原始的なワインより成長した本格的なワインの誕生です。
飲んでた人達
エジプトは多神教でした、その中でも『オシリス』
酒の神であり冥界の支配者、植物の生命を司る神、豊作の神
色んな呼び名がりますが、人々に農業技術を教えたのは『オシリス』とされています。
そこで人々はワインは神に捧げる酒とし、
健康や繁栄を祈る為お祭りを行うようになります。
後に王族、貴族、上流階級の間では常時飲まれるようになり、
宴会では欠かせないものとなりました。
庶民もお祭りの時には飲んでいたそうです。
医学とワイン
エジプトではワインは飲むだけではなく、医療にも使用されていました。
ワインの副産物『お酢』を使用し、食材の防腐剤に利用など。
香水を作る為に使用していた『蒸留技術』によりアルコールも作っていた可能性もあります。
アルコールはアラビア語の『al koh`l』に由来します。
アルal-は定冠詞、コールkoh`lは化粧で使われるアイシャドーを意味します。
この言葉が医学の研究対象になり
後にアルコールと呼ばれるようになりました。
当時はアルコールとは呼んでいなかったとおもいますが、
薬液という認識はあった可能性はあります。
日常的に飲まれるようになったギリシャ
王侯貴族から庶民へ
これまでメソポタミア、エジプトでは神に捧げる酒であり、
支配権のある人々が飲んでいましたが、
ギリシャでは庶民でも日常的に飲めるものとなりました。
醸造所とブドウ圧搾機による効率化と生産性。
大量生産で多くの人々がワインを日常的に飲めるようになった。
酒の神ディオニュソス
エジプト編でも『オシリス』という酒の神がいました。
ディオニュソスも同じく人々に農耕技術を伝えた神です。
人々は信仰しお祭りを開催する事で、
王侯貴族の特権的な飲み物ではなく大衆の間でも
幅広く飲まれるようになったのも関係しています。
※このディオニュソスに関するエピソードがとても面白いので
また別の記事で書かせていただきます。お楽しみに
繁栄のローマ
初期ローマはミルクを飲んでいた?
日本の建国神話『古事記』があるように、
ローマにも建国神話があります。
『ロムルスとレムス』2人の兄弟は狼に育てられ、
7つの丘に紀元前753年にローマを建国した。
神話に狼のミルクが出てくるので、
ミルクを飲むことの方が多かったようです。
また、ワインの成れの果て『酢』を水で割った『ポスカ』や
水と蜂蜜とイースト菌を混ぜて発酵させた『アクア・ムルサ(ミード)』
などを飲んでいました。
ワインに対する意識
ローマ人がワインに対する意識を変えたのは、
カルタゴ帝国と3度に及ぶ戦いに勝利した後です。
領土の拡大により貿易を開始。
占領地から大量のワインが輸入されるようになり、
ワインが良い利益を産む事を知りワイン産業が発展した。
次第に経済が繁栄していき、
生活にゆとりが生まれローマ人はワインの味を覚え
次に文化を欲しギリシャ文明を吸収。
神々は名前を変えられディオニュソスはバッカスとなった。
ワインは赤ではなく白だった
ローマ人が飲んでいたワインは甘口の白ワイン、
味が薄いと蜂蜜を混ぜ飲んでいました。
またストレートで飲むことは野蛮とされ、必ず水で割って飲んでいました。
ストレートで飲むことが可能なのは酒神のみ、
人間が真似をすると凶暴になり悪魔のような狂乱を招くとされていました。
つまりストレートはアルコール度数が高いので、
酔うスピードが早くなりトラブルが起こしやすくなってしまうから
薄めて飲もうね!って事ですね。
古代の知識人達の文献を見ていると、
みんな『泥酔アカンで〜』や『適量大事』というメッセージを記述しています。
当時の酔っ払いはどんな感じだったんでしょうか?
泥酔すると人は変わってしまうので、かなり恐れられていたようですね、、
キリスト教を国教化
イエス・キリスト
『パンは我が肉、ワインは我が血』
紀元380年、キリスト教を国教化。
すでにワインはヨーロッパに広まっていましたが、
キリスト教の普及と共にワインも広まっていき、
教会の収入源ともなっていきます。
こうして広まっていったワインは現代まで発展してきました。
中世から現代までの流れはまた別の記事で書かせていただきます。
ザックリと解説していきましたが以上です。
ご覧いただきありがとうございました。
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