スコットランドの西側に位置するヘブリディーズ諸島のアイラ島。
この島で生産されるウイスキーは独特なスモーキーさ、ヨード臭、ピート香で有名。
よく使われる表現は『病院の匂い、正露丸、煙』などなど。
コアなファンが多く、人気と注目度の高い島です。
島全体が厚いピート層に覆われて、大量のピートが手に入る、そしてピート層を通った水が仕込み水として使用される。
※ピートは昆布やワカメなどの水生植物、貝などの炭化した泥炭。
※スコットランド本土では、花や草などが炭化したヒースを大麦麦芽の乾燥する際に使用している。
※ピートも炭化の進み具合で「フォギー」「ヤフィー」「モス」と呼び名が変わる。どのピートを使用するかでもウイスキーの仕上がりを左右する要因となる、完成するまでどんな仕上がりになるか分からない、それがウイスキーの面白いところ。
そしてウイスキーの原料である大麦麦芽を乾燥させる時にピート(泥炭)を炊くことによりスモーキーさが増し、海岸近くのウェアハウス(熟成庫)で熟成され、磯や潮っぽい香りがつき、熟成後はピートで得た化学薬品のようなフェノール臭が飲み手の鼻を突き刺し、液体を口に含めば爆発する。
長い年月を得て熟成されたウイスキーという現代の錬金術で生み出されたアルコール度数40度以上の液体を体内に流し込めば体が燃えるように熱くなり興奮と酔いをもたらします。
では本題である、現在稼働中のモルトウイスキー蒸留所9ヶ所をザックリ紹介していきます。
※10ヶ所目も紹介しますが、情報少ない為名前のみ公開します。
①【アードベッグ/Ardbeg】
「小さな丘」
創業:1815年
所有:LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)
何度もオーナーが変わっている、97年にグレンモーレンジィが買収し甦った。
2004年にモーレンジィがLVMHの傘下となる。
②【ボウモア/Bowmore】
「大きな岩礁」
創業:1779年創業
所有:サントリー
アイラ島で最古。
島の中心に位置する。
北のライトさと南のヘビーさがありアイラ全体を想像しやすい。
③【ブルイックラディ/Bruichladdich】
「海辺の丘の斜面」
創業:1881年
所有:ブルイックラディ
テロワールの概念をウイスキーに持ち込む。
1994年にJBB社が買収したが操業していなかった。
2001年に元ボウモアのジェームズ・ワット、マーレイバグダビット社がJBB社から買収。
ユニークな製品が多い、仕込みから瓶詰めまで全てあいらで行っている。
④【ブナハーブン/Bunnabhain】
「河口」
創業:1880年
所有:ディスティル
アメリカで人気
カティサーク、フェイマスグラウスの原酒。
ブラックボトルはブナハーブンがキーモルト。
⑤【カリラ/Caol Ila】
「アイラの海峡」
創業:1846年
所有:ディアジオ
生産量アイラNo1
1972~74年にかけて建て替えを行った。
アイラ最大の640万リットル生産、そのほとんどがブレンデッドウイスキー”ジョニーウォーカー”に使用されている。
⑥【キルホーマン/Kilchoman】
「ホーマン教会」
創業:2005年
所有:キルホーマン
クラフトウイスキー、ウイスキー作りの全工程を自社で行なっている。
ちなみに
静岡、ガイアフロー蒸留所オーナーの中村さんは、見学でキルホーマンに行った際にウイスキー作りを決意されたとうエピソードがあります。
⑦【ラガヴーリン/Lagavulin】
「水車小屋のある湿地」
創業:1816年
所有:ディアジオ
オフィシャルではクラシックモルトシリーズの1つとなっている。
ホワイトホースのキーモルト
16年が主流。
⑧【ラフロイグ/Laphroaig】
「広い入江の美しい窪地」
創業:1815年
所有:サントリー
初のロイヤルワラント(王室御用達)
熟成にはファーストフィルのバーボン樽しか使用しないこだわりがある。
⑨【アードナッホー/Ardnaoe】
「窪地の上の高台」
創業:2019年
所有:ハンターレイン
9番目のアイラ。
まだ発売はされていない。
注目の蒸留所。
⑩【ガートブレッグ/Gartbreck】
2014年工事開始、2015年蒸留予定でしたが現在は蒸留所すら建っていない状態です。
情報が全くないので知っている方いましたら教えてください、、、。
まとめ
アイラ島は、、
・島全体がピートで覆われている為大量のピートが手に入る
・大麦麦芽を乾燥させる時にピートを使用でスモーキー。
・海岸近くのウェアハウス(熟成庫)での熟成により磯や潮っぽい香りがもたらされる。
煙、磯、潮、化学薬品の香りに特化した風味が個性的なウイスキーを生産している。
感じ方は人それぞれなのでどんな香りを感じたか感想を言い合えると楽しそうですね。
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